三好達治の詩人としての出世作「測量船」(1930年)から1945年をはさんで「砂の砦」(1946年)まで。激動の人生から作曲された7つの詩。同志社グリークラブによる怒涛の音の洪水にまいど飲み込まれて酔いつぶれる。合唱名曲コレクション29わがふるき日のうた(東芝EMI)おわ ...
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三好達治『わがふるき日のうた』の中の「雪はふる」の風景
連日の暑さにすっかりまいっている。こう暑いと何もする気がおきない。こんなときには、手持ちの情報でやりくりするに限る。本ブログを書くきっかけとなった多田武彦『わがふるき日のうた』の終曲。いちど拙ブログでも取り上げたことがある。三好達治『わがふるき日のうた』 ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の 「郷愁」のこと
多田武彦の男声合唱組曲『わがふるき日のうた』の中でも5曲目の「郷愁」は、屈指の名曲であると思う。「郷愁」 三好達治蝶のやうな私の郷愁!……。蝶はいくつか籬を越え、午後の街角に海を見る……。私は壁に海を聽く……。私は本を閉ぢる。私は壁に凭れる。隣りの部屋で ...
そうか、『わがふるき日のうた』を歌うのだったな、の段
筆者は、只今絶賛沈没中である。あれほど好きだったタダタケが、まったく身体に入ってこないのである。まったくスランプである。しかし、昔の仲間が演奏会を開催する、しかも、大好きな「わがふる」をやるのである。万難を排して駆けつけようと思っているのである。HPはこち ...
人はみな旅人である。しかし時には原点に立ち戻る勇気も必要ということその参
「かへる日もなき」 三好達治かへる日もなきいにしへをこはつゆ艸の花のいろはるかなるものみな青し海の青はた空の青(『花筐』青磁社/1944年)多田武彦作曲『わがふるき日のうた』の中の終曲「雪はふる」の2年前の風景。「雪はふる」 三好達治海にもゆかな野にゆ ...
三好達治『わがふるき日のうた』の別の風景
三好達治についての本を探していたら、次の本にたどり着いた。『三好達治』(1979年/筑摩書房)正確に言うとこういう本がある、という情報でしたが(笑)今まで数々のお世話になっている日本最大の図書館検索カーリル でさえも検索不可能とは、どんだけか~!と半ばあきらめ ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「雪はふる」のことの補足
『万葉の人びと』犬養孝(新潮文庫/1981年)誰もが知っている万葉集の歌についてわかりやすく、解説したNHKの放送の原稿をもとにした本。おお、そんな風景や情が隠れていたのか。と目から鱗の本であった。で、再度まっさらな気持ちでよみなおしてみる。「雪はふる」 ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「湖水」のこと
【その1】組曲第Ⅱ曲。「湖水」 三好達治この湖水で人が死んだのだそれであんなにたくさん舟が出てゐるのだ葦と藻草の どこに死骸はかくれてしまつたのかそれを見出した合圖の笛はまだ鳴らない風が吹いて 水を切る艪の音櫂の音風が吹いて 草の根や蟹の匂ひがするああ ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「鐘なりぬ」のこと
【その1】組曲第Ⅵ曲。 「鐘鳴りぬ」 三好達治聽け鐘鳴りぬ聽けつねならぬ鐘鳴りいでぬかの鐘鳴りぬいざわれはゆかんおもひまうけぬ日の空にひびきわたらふ鐘の音を鶏鳴か五暁かしらずわれはゆかん さあれゆめゆるがせに聽くべからねばわれはゆかん牧人の鞭にしたが ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「雪はふる」のこと
いちど本ブログでも書いていますが別の切り口で。「そうか、きみはただただただたけだけだっけ?その弐」 本ブログを書くきっかけとなった多田武彦『わがふるき日のうた』の終曲。「雪はふる」 三好達治海にもゆかな野にゆかなかへるべもなき身となりぬすぎこし方なかへ ...
三好達治『わがふるき日のうた』の音源のこと
上野の東京文化会館4F音楽資料室に通い詰めてはや1年あまり。http://www.t-bunka.jp/library/ そこにしげしげとかよいつめるおっさんがおる。男声合唱(9割が多田武彦)のCDとLPをむさぼるように視聴するあやしいおっさん。しかも視聴し終わったら、兎のような真っ赤な眼を ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「甃のうへ」の補足
本ブログの別の記事で、書いたことの補足。 室生犀星の『青き魚を釣る人』の「春の寺」(1923年/)の意識的な「本歌取り」だと 指摘したのは大岡信と書いた。「本歌取り」についは学研全訳古語辞典、などを引いてみると「本歌取り」和歌・連歌(れんが)の表現技法の一つ。 ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「甃のうへ」のこと
多田武彦作曲「わがふるき日のうた」の中の詩。三好達治の詩の中でももっとも有名なもののひとつで高校の国語の教科書にも頻出の詩、第1曲目「甃(いし)のうへ」にまつわる7つのポイント。(大学受験には出そうもないですが。)「甃のうへ」 三好達治あはれ花びらな ...
そうか、きみはただただただたけだけだったっけ?その弐。三好達治『わがふるき日のうた』のこと
そうか、君は只々タダタケだけだったっけ?その壱のつづき。 ●できれば、演奏の際にはここで少しでも「間」をあけてほしいですね。ハンカチで汗をぬぐうだけで、涙を拭いたと同じ効果があると思いませんか。聴衆も張りつめた息をはく「間」になりますね。「雪はふる」 ...
そうか、きみはただただただたけだけだったっけ?その壱。三好達治『わがふるき日のうた』のこと
そうか、君は只々タダタケだけだったっけ?僕の男声合唱人生の中で、胸を打つ物語が、歌詞として取り上げられた近代詩の中にある。うたをうたうことの原点となるこれらのものは、つたなき僕の人生の中で、何度も僕の人生を救った。そしてこれからも救うだろう。今回Kさんとい ...









