カテゴリ: 記事(よもやまばなし)

演奏会も無事終了し、ほっとひと息。昨年9月から住み始めた新しい街で、忘れていたわ、本屋巡りの旅。それも古書店がイイ。妻とぶらぶら歩き中に、突然、街中のメインストリートに古き良き古書店が出現。夫「なにかあるぞ。」妻「見て、壁一面に北原白秋全集があるぞ。」夫「 ...

「渡り鳥」   北原白秋あの影は渡り鳥、あの耀きは雪、遠ければ遠いほど空は青うて、高ければ高いほど脈立つ山よ、ああ、乗鞍嶽、あの影は渡り鳥。(『水墨集』/アルス/1923年)先日のタダタケをうたう会の演奏会でのタダタケ・ア・ラカルトステージで演奏する機会に恵ま ...

「海は、お天気の日には」   中原中也海は、お天気の日には 海は、お天気の日には、綺麗だ。海は、お天気の日には、金や銀だ。それなのに、雨の降る日は、海は、怖い。海は、雨の降る日は、呑まれるやうに、怖い。ああ私の心にも雨の日と、お天気の日と、その両方がある ...

「冬の明け方」   中原中也殘んの雪が瓦に少なく固く枯木の小枝が鹿のやうに睡い、冬の朝の六時私の頭も睡い。烏が啼いて通る――庭の地面も鹿のやうに睡い。――林が逃げた農家が逃げた、空は悲しい衰弱。   私の心は悲しい……やがて薄日が射し青空が開く。上の上の ...

「水路」   北原白秋 ほうつほうつと蛍が飛ぶ……しとやかな柳河の水路を、定紋つけた古い提灯が、ぼんやりと、その舟の芝居もどりの家族を眠らす。ほうつほうつと蛍が飛ぶ……あるかない月の夜に鳴く虫のこゑ、向ひあつた白壁の薄あかりに、何かしら燐のやうなおそれが ...

何度もくじけそうになって、ゲネプロと本番の2日間を空けるために直前の2週間で何日も徹夜して仕事を終わらせてふらふらになって我にかえって会場にたどり着いた。男声合唱団タダタケを歌う会コンサート第陸。20180121。於 石橋メモリアルホール。 沢山の方にご来場いただ ...

1月21日(日)に迫っている当団のコンサート。年末に敢行した自宅単独音確認合宿のおかげで、一筋の光がみえてきた気がする。演奏する2つの組曲のうちの多田武彦作曲『優しき歌』は全5曲。どれもみなわが胸をうつ音楽に溢れている。・・・しかし、まだ詩が肌感覚で腹に落ち ...

2017年もいよいよ大詰めである。「寒い夜の自画像」   中原中也きらびやかでもないけれどこの一本の手綱をはなさずこの陰暗の地域を過ぎる!その志明らかなれば冬の夜を我は嘆かず人々の焦燥のみの愁しみや憧れに引き廻される女等の鼻唄をわが瑣細なる罰と感じそが、わが ...

いよいよ、である。2018年1月21日(日)14:30開演。於 石橋メモリアルホール(JR上野駅)詳しくはこちらを。男声合唱団タダタケを歌う会http://tadatake.halfmoon.jp/フライヤーはこちらを。指導者陣が、音楽監督の髙坂徹先生。アンサンブルリーダー(EL)が小池由幸さん ...

さて、秋である。芸術の秋である。月の横にアルデバランが観測できた秋である。実に、秋である。筆者も一年ぶりにオンステするさせていただきます。あの東京男声合唱フェスティバルです。所属はもちろん男声合唱団タダタケを歌う会であります。しかも、伊藤整と立原道造。ど ...

『ソネット集』については拙ブログでも取り上げたことがあります。男声合唱団タダタケを歌う会のコンサート「第伍」のこと 多田武彦の立原道造『ソネット集』を男声合唱団タダタケを歌う会で髙坂先生の情熱溢れる棒で歌うという僥倖に恵まれたので、続きの『ソネット集・第二 ...

眠れぬ夜にツィッターでつらつら書いたネタのまとめその拾参。随時追加予定。だが時期未定。でも断固追加予定。#21 そろそろソロいってみナイト。多田武彦の組曲を歌っていて、誰しもが「いつかは・・・」と夢見ることを実現できるイベントを仕掛けないと。お店にお客を呼 ...

読み疲れた時に、ほっと一息の時間。妻「アンタの曲集についての  歴史はわかった。  じゃあ、よく鼻歌で歌っている曲、  アンコールについては  どうなん?」父「・・・鋭いナ。」筆者のタダタケライフは意外と短い。(全曲オンステしたものに限定だけど)1995-201 ...

読み疲れた時に、ほっと一息の時間。妻「あんた、多田武彦の詩と歌について  いろいろ妄想してるけど、  そこまでいうなら(書くなら)  沢山経験してんだろうね。」父「・・・鋭いナ。」筆者のタダタケライフは意外と短い。(全曲オンステしたものに限定だけど)1995 ...

「かへる日もなき」   三好達治かへる日もなきいにしへをこはつゆ艸の花のいろはるかなるものみな青し海の青はた空の青(『花筐』青磁社/1944年)多田武彦作曲『わがふるき日のうた』の中の終曲「雪はふる」の2年前の風景。「雪はふる」   三好達治海にもゆかな野にゆ ...

思えばセカンドテナー地位向上委員会が発足してから早1年と2か月余り。日本全国から沸々と湧き上がるセカンドテナー賛歌!?・・・という訳にはすんなりいかないようである。それもまた真実なり。そうだ、所属する男声合唱団の演奏会の活性化のアイディアを出すことによって ...

絶望の叫喚に叫ぶとき、 私の悩みは誰も知るまいと白い月にほほえんでみたくなるとき、遠き遠き漏電と夜の絶叫。など人生、へこんでいるときは頭の中でテクストが大混乱のワルツを踊ってゐる。 だからこそ時には己のルーツに立ち戻りたくなる、そんな瞬間が誰しもあるので ...

人はみな旅人である。 気持ちが折れそうなとき、 真夜中に叫びだしそうなとき、 己のルーツに立ち戻りたくなる、そんな瞬間が誰しもあるのではないだろうか。 筆者の場合、 そのルーツを思い出させるものたち。それは東京は上野の 東京文化会館にある。 拙ブログで取り上げ ...

「みまかれる美しきひとに」   立原道造まなかひに幾たびか立ちもとほつたかげはうつし世に まぼろしとなつて忘れられた見知らぬ土地に 林檎の花のにほふ頃見おぼえのない とほい星夜の星空の下で、その空に夏と春の交代が慌しくはなかつたか。――嘗てあなたのほほゑ ...

眠れぬ夜にツイッターでつらつら書いたネタのまとめその拾弐。随時追加予定。だが時期未定。でも断固追加予定。#20新入団員獲得はかくも困難な・・・。新年度も始まり、新入社員も周囲に配属され、新入生も学校に集まり、歓送迎会なども毎晩毎晩催されていることだらう。 ...

読み疲れた時に、 ほっと一息の時間。倒れちゃうときは前ノメリ。という古の三河武士のような合唱ライフを送っている筆者も、人間だもの。楽譜と詩集と始終にらめっこぢゃ疲れちゃう。そこで、少し肩の力をぬくときも必要かと。そんなときにぴったりの合唱に関する小説と漫画 ...

もうすでに二本のネタを書いてしまつた。セカンドの知られざる「ぐっとくる」旋律のことhttp://blog.livedoor.jp/hirolead/archives/46956229.htmlセカンドの知られざる「ぐっとくる」旋律のことその弐http://blog.livedoor.jp/hirolead/archives/49898812.htmlあまりのニッ ...

念を押すわけではないが筆者のパートはセカンドである。特に多田武彦の曲は、セカンドやっててよかった~感がえげつないのである。一度拙ブログでも取り上げたことがある。セカンドの知られざる「ぐっとくる」旋律のこと。http://blog.livedoor.jp/hirolead/archives/4695622 ...

いろいろ訳あって苦労も分けあって筆者は北方民族大移動の真っ最中。こそこそ荷物を現住所から車で1時間ほどの距離にある新住所に運び込んでいるのである。ああ、最近多田武彦を歌ってないなあ。いかんなあ、これでは。忙中閑あり。歌えなくてもCDなどは隙を見て聴いている ...

反論ばかりじゃありません。「セカンドテナー地位向上委員会」へのまるっとした賛美もあります。全国から湧き上がるて~んの濁音。父「で~ん!!」※個人の感想です。※地位の捉え方には個人差があります。※諸説あります。妻「いいかげん、話を進めんか!」誤解派byBARI「 ...

一部地域と一部声部の方々に ひそかに話題となった 「セカンドテナー地位向上委員会」。そのささやかな反響に溢れる涙がほおに筋を引いたとて。※個人の感想です。 ※地位の捉え方には個人差があります。 ※平成28年5月5日時点での地位です。 妻「いいかげん、話を進めんか ...

読み疲れた時に、ほっと一息の時間。我が娘の小学校生活も残り3か月となった。親としては、感慨深いものがある。幸いにもまだ良好なコミュニケーションがとれている。タダタケつながりで。ある日の風景その1。父娘2人で、お昼をどこで食べるか相談中。父「じゃあ、そばでも ...

読み疲れた時に、 ほっと一息の時間。いやあ、世に音楽の映画は数あれど合唱の映画はあんまりないですね。楽器と違って映像になりにくいのかも。もちろん『天使にラブソングを』(1992年/米)や 『ブルースブラザーズ2000』(1998年/米)の 野外テントの教会シーンも最高に感 ...

妻「たまの休みだというのに、  あんた、今どこでなにしとるんじゃ!」父「寸暇バカンス。   @田端」妻「あんた、前回(こりない男の「前橋文学館と萩原朔太郎記念館」来訪記)で  反省してなかったんか!」 父「最近、詩人のインプットが       弱かったんで・・ ...

眠れぬ夜にツイッターでつらつら書いたネタのまとめその捌。随時追加予定。だが時期未定。でも断固追加予定。#19 絶望の・・・・。ただタダタケだbarの唯一の弱点と言われた「冷たい飲み物がない。」との各界からの声なき声に対抗してただタダタケだbarに導入されたミニ ...

「百舌(もず)」   三好達治槻(つき)の梢に ひとつ時默つてゐた分別顏な春の百舌曇り空を高だかとやがて斜めに川を越えた紺屋の前の榛(はん)の木へ……ああその今の私に欲しいのは小鳥の愛らしい 一つの決心(『閒花集』四季社、1934年)百舌は秋の季語。秋は別れの ...

「鶯(うぐいす)」         三好達治「籠の中にも季節は移る 私は歌ふ 私は歌ふ    私は憐れな楚囚(そしう) この虜はれが 私の歌をこんなにも美しいものにする 私は歌ふ 私は歌ふ    やがて私の心を費ひ果して 私の歌も終るだらう 私は眼を瞑る 翼を ...

無理言って練習に参加させていただいてオンステさせていただいた。男声合唱団タダタケを歌う会コンサート第伍。20161015。於 石橋メモリアルホール。 男声合唱団タダタケを歌う会 コンサート第伍の概要はこちら(演奏会は終了しました。念のため。)無事に終了しました。ほ ...

#18 約20日間の『熟成期間』を終えて、  再び夜の街を彷徨う旅に出る。男声合唱団タダタケを歌う会コンサート「第伍」が10/15(土)に無事開催された。行楽日和の土曜に足を運んでくださった皆様に感謝いたします。練習に参加した期間は短かったけれども立原道造と三好達 ...

読み疲れた時に、 ほっと一息の時間。「我が愛する詩人の伝記」(著/室生犀星)を読了。(講談社文芸文庫/2016年 底本は中公文庫1974年)↓日本最大の図書館検索「カーリル」↓ https://calil.jp/関係ないですが、「むろうさいせい」でなくて「むろおさいせい」でしたのね ...

#17 ただタダタケだbar今宵も開店。冷たい飲み物も飲めるようになったし、一見さんから常連さんになってもらうにはただタダタケだbarの強みを生かしたイベントをさらにしかけるべきであらう。そこで、題して「生演奏!クイズタダタケでQ2!」妻「なんか、響きがダイ● ...

読み疲れた時に、 ほっと一息の時間。我が家の娘はただ今絶賛小学6年生。たまに家族でカラオケにいくのだが、「アイ●ツ」とか「プリ●ュア」とか「コナ●」とかを熱唱している。小さいころはタダタケしか聴かせてなかったんだがのう。娘「だってカラオケに  タダタケない ...

いよいよ、である。2016年10月15日(土)14:30開演。於 石橋メモリアルホール(JR上野駅)詳しくはこちらを。男声合唱団タダタケを歌う会のコンサート「第伍」http://tadatake.halfmoon.jp/フライヤーはこちらを。実は、多田武彦所謂タダタケを思う存分歌いたくてこの演奏会 ...

譜面は買えてもなかなか演奏を耳にする機会がない多田武彦の組曲がある。『追憶の窓』である。1曲目「村」。2曲目「村」。妻「どっちよ。」打ち間違いではないのである。三好達治詩集でも「村」「春」「村」と連続して掲載されている。今回はその2つめ(組曲でも2曲目)の「 ...

多田武彦作品の中でも屈指の名曲といっても許されるだろうこの曲。組曲第1曲「冬野」。 詩の始まりの部分に高く冬の天に輝く星がでてくる。そんな印象的な星にまつわるアナザーストーリー。「天狼星(シリウス)に」   さだまさし自分だけはだませなくて独り夜汽車で旅立 ...

眠れぬ夜にツイッターでつらつら書いたネタのまとめその捌。随時追加予定。だが時期未定。でも断固追加予定。#16 待望の・・・・。ただタダタケだbarの唯一の弱点と言われた「冷たい飲み物がない。」店主も花をくわへてわたって・・・ではなく指をくわへてみていたわけぢ ...

妻「たまの休みだというのに、  あんた、今どこでなにしとるんじゃ!」父「朔太郎の故郷におります。父。」娘「うどん店におります。マリオ(任天堂)。」父「おーそれ、有名な回文ではないか。     まだ回文ブーム     終わってなかったんかいな。」娘「釧路より、 ...

目下絶賛練習中です。多田武彦「ソネット集」。その中で頭をはなれないこの曲。「旅人の夜の歌」 FRAULEIN A. MUROHU GEWIDMET   立原道造降りすさんむでゐるのは つめたい雨。私の手にした提灯はやうやく昏く足もとをてらしてゐる、歩けば歩けば夜は限りなくとほい。私 ...

「汽車の歌」   立原道造上り列車は三日月ぐらゐの小さな明りを一列につないであれはくたびれた足どりを一しやう懸命だつたそのあと暗くなつてから下りはキラキラと走つてしまつた上りの息は僕たちをすこしだけかなしく心配にした あの小刻みな喘ぎ(「立原道造全集第二 ...

眠れぬ夜にツイッターでつらつら書いたネタのまとめその捌。随時追加予定。だが時期未定。でも断固追加予定。#15 ただタダタケだbar今宵も開店。やはり、新規顧客を開拓するにはただタダタケだbarの強みを生かしたイベントをしかけるべきであらう。そこで、題して「生演 ...

今宵もただたけだBarにたどり着いた。 升のうち、一つは、実はiPhone用スピーカー。温かい音色がただだけにぴったり。ボトルキープの酒は日々飲んでしまうので毎日変動。並び順に凝ってしまうのは、合唱人の悲しき性(さが)。  ...

いよいよあと7日間で企画展が終わってしまう。鎌倉文学館特別展「マボロシヲミルヒト」以前本ブログでも紹介した萩原朔太郎。白秋につづく詩の巨人として、その存在感は多大なものがあるだろう。娘萩原葉子がしるした「父・萩原朔太郎」(1979年中央公論社)を読んだ。その中 ...

いよいよである。またまたいよいよの登場である。所用があって関西方面にでかける用事ができたのである。しかも家族でUSJ。娘の卒業旅行積み立ては夫1娘1の2人分だったが急きょ妻も参加できることになり「サンライズ出雲」は即刻却下され。3人が楽しめる行き先になった ...

①「愛、深き淵より ―筆をくわえて綴った生命の記録―」星野富弘/立風書房/1981年1月 ②「風の旅」星野富弘/立風書房/1982年1月 実家にあって昔読んだ①。両親が大好きで大事にとってあった。学生の頃、かの有名な男声合唱組曲「花に寄せて」を歌う際に、購入し今も大事に ...

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