昨年の話で恐縮だが、2015年6月28日(日)於 すみだトリフォニーホール第64回東西四大学合唱演奏会を家族3人で鑑賞した。私自身も久しぶりの四連の鑑賞であった。各団の人数も持ち直し、安定多数(?)になり、それぞれが素晴らしいステージであった。そして、メインの合同 ...
カテゴリ:記事(詩人) > 三好達治のはなし
三好達治『追憶の窓』の中の「昨日はどこにもありません」のこと
また帰ってくる。達治に帰ってくる。多田武彦<公認サイト>よりhttp://www.ric.hi-ho.ne.jp/neo-rkato/yaro/20140208tadatake_ryakureki.html 多田武彦は、映画監督を目指していたことも周知の事実である。だからだろうか多田武彦の作品には、映像のイメージが浮かんでくる ...
三好達治『追憶の窓』の中の「雨後」のこと
アンコールピースとして登山家の愛好歌としてこよなく愛されるこの曲について。「雨後」 三好達治一つ また一つ雲は山を離れ夕暮れの空に浮かぶ雨の後山は新緑の襟を正し膝を交えて並んでゐる峡の奥 杉の林に発電所の燈がともるさうして後ろを顧みれば雲の切れ目に 鹿島槍 ...
三好達治『海に寄せる歌』の中の「ある橋上にて」のこと
最後、バーン!と大団円で終わる大迫力の曲集ももちろん大好き。また、しみじみと幕をとじる曲集ももちろん大好き。『海に寄せる歌』の終曲。様々な海の風景、物語が6曲れた展開されたあと、穏やかな海の風景がひろがる。「ある橋上にて」 三好達治 十日くもりてひと日 ...
三好達治『わがふるき日のうた』の中の「甃のうへ」のこと
多田武彦作曲「わがふるき日のうた」の中の詩。三好達治の詩の中でももっとも有名なもののひとつで高校の国語の教科書にも頻出の詩、第1曲目「甃(いし)のうへ」にまつわる7つのポイント。(大学受験には出そうもないですが。)「甃のうへ」 三好達治あはれ花びらな ...
三好達治『追憶の窓』のこと
多田武彦が三好達治の詩にいきなり「ガッと」取り組んでほぼ同時期に書き上げた3つの組曲がある。『わがふるき日のうた』『海に寄せる歌』『追憶の窓』である。どれも素晴らしい出来なのだが、『追憶の窓』については、3曲目の「雨後」はアンコールピースとして有名であるも ...
不惑を前に、未だ羽ばたけぬ三好達治の焦燥と決意表明
「枕上口占」 三好達治私の詩は一つの着手であればいい私の家は毀れやすい家でいいひと日ひと日に 失はれるああこの旅の つれづれの私の詩は三日の間もてばいい昨日と今日と明日(あす)とただその片見であればいい(『艸千里』1939年7月)達治が小田原に転居したのは、 ...
同じモチーフに見る津村信夫と三好達治の個性
多田武彦の作曲した『父のいる庭』(詩:津村信夫)『海に寄せる歌』(詩:三好達治)にも、娘が生まれた感慨を詠んだ詩がそれぞれ入っています。「早春」 津村信夫淺い春が好きだつた──死んだ父の口癖のそんな季節の訪れが私に近頃では早く來るひと月ばかり早く來る藪 ...
同じモチーフに見る中原中也と三好達治の個性
三好達治「わがふるき日のうた」に登場する「木兎(みみずく)」。同じモチーフながら詩人の個性がでる印象的な2つの詩を味わいました。「木兎」 三好達治木兎が鳴いてゐるああまた木兎が鳴いてゐる古い歌聽き慣れた昔の歌お前の歌を聽くために私は都にかへつてきたの ...
そうか、きみはただただただたけだけだったっけ?その弐。三好達治『わがふるき日のうた』のこと
そうか、君は只々タダタケだけだったっけ?その壱のつづき。 ●できれば、演奏の際にはここで少しでも「間」をあけてほしいですね。ハンカチで汗をぬぐうだけで、涙を拭いたと同じ効果があると思いませんか。聴衆も張りつめた息をはく「間」になりますね。「雪はふる」 ...
そうか、きみはただただただたけだけだったっけ?その壱。三好達治『わがふるき日のうた』のこと
そうか、君は只々タダタケだけだったっけ?僕の男声合唱人生の中で、胸を打つ物語が、歌詞として取り上げられた近代詩の中にある。うたをうたうことの原点となるこれらのものは、つたなき僕の人生の中で、何度も僕の人生を救った。そしてこれからも救うだろう。今回Kさんとい ...