愉しみにしたい。
そんな贅沢(勉強不足)な自分にとって
我が団のELの棒による
「タダタケの魅力を広く知っていただくため、
また団員がいつでもどこでも気軽にハモって楽しめる
愛唱曲集を作ろうぜプロジェクト」(略して「愛唱曲練習」)
が今年の梅雨の晴れ間に本格始動した。
組曲演奏とは違った魅力を発見できる貴重な機会である。
とにかく、面白い。
その内の一つがこちら。
「武蔵野の雨」大木惇夫
(『風・光・木の葉』/アルス社/1925年)
詳細はこちらのサイトが参考になります。
さてこの「武蔵野の雨」であるが
タダタケ節炸裂の抒情的な旋律とハモり。
しみじみと、タダタケいや男声合唱っていいなあ、
と素直に実感できる曲である。
この大木惇夫は、
1895年の広島生まれ。
一度は銀行に就職するも
文学を志し上京し北原白秋の知遇を得ることができた。
したがって、この「武蔵野の雨」は
北原白秋の影響を受けてよんだ詩といえそうである。
味わうポイント
・この「武蔵野の雨」が収められているのは
詩集「風・光・木の葉」(アルス社、1925年)
・曲中に7回でてくる「あめ」のハモり。
すべて違う和音構成。
そこにみる「あめ」の様々なかたち、多様性。
・曲想のピークの4回めの「あめ」のみ
テナー系とベース系のA(ラ)のオクターブ。
作曲家が観ていた風景と映像への想像力を働かせる楽しみ。
・雨は降っているときはかたちはあまりみえない。
雨が何かを濡らしたとき、そのものの造形やしぐさ、
まなざしに「あめのかたち」を知る。
・雨の恵みを受けるものによって「あめ」を知る。
・武蔵野のイメージは古来より、
どこまでもつづく原生林、ススキ野原、月の美しい原野。
といったところが大きいかもしれない。
・しかし、1898年に発表された国木田独歩の「武蔵野」が
武蔵野は雑木林。人間の生活圏と自然とが入り混じる田園地帯。
いわば人間が住む土地、なりわいにフォーカスするという
見方を展開した。そしてこれ以降の文壇に武蔵野のイメージへの
影響を与えたという。
北原白秋から大木惇夫へと受け継がれる
「武蔵野の雨」。
ご興味を持たれたかたは
こちらのサイトからご連絡ください。
おわり。
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