2020年10月18日(日)。
私はレンタカーを借りて
妻と一緒にささやかな
ふるさと巡礼の旅に出た。
千葉から埼玉にかけての
久しぶりのロングドライブ。

娘「私は中間テスト勉強があるんで。」

夫婦水入らずの
久しぶりのロングドライブ。
ハンドルを握る手が
汗ばんでくるのは
なぜだろう。

まさか、昔からの妻の十八番
走り出して10分で助手席で
爆睡する技が久しぶりに炸裂するのか?

妻「朝9時からそれはないわ~!」
夫「それはそうと、
  最近娘の様子はどうかな?」
妻「楽しくやってるみたいよ。
  ソフトボール部の友達も
  いい人ばかりみたい。」
夫「勉強は大丈夫かね?」
妻「コツコツ計画立ててやってるよ。」
夫「・・・ウム。それはよかった。」
妻「涙ぐんでないで、
  前向いてしっかり運転しろよ。」

車中の話題の5割は娘のことになる。
ま、そういうものである。

巡礼地その1
埼玉県A市にある
親父の墓に墓参り。
※以下A市とは
 イニシャルによる仮名です。

色々あって
めったにA市と
そこにある
親父の墓参りには
これないので、
親父に近況報告。

そして
妻にはちょっと席を外してもらって
しばし親父と自分とで会談。

親父、いままでありがとう。
俺、自分なりに頑張るから。
そこから見守っていてくれ。

眼が真っ赤になったので、
目薬をさして
次の巡礼地へ向かう。

巡礼地その2
今回の演奏会の歌い手の
矢部太郎氏と出会った
思い出の地、
埼玉県伊奈町にある
埼玉県立伊奈学園総合高校
に向かう。

自分の世代は
団塊ジュニア世代の5期生
だったから、
1学年24クラス約1,100人✕3学年
のマンモス学校だった。
当時の県立高校としては
かなり大きかったんじゃないかな。
学校も生徒も先生も
個性豊かな実に愉快な学校だった。

矢部太郎氏とは
その音楽部(合唱部)の
同期として苦楽をともに
した仲だ。
(同校音楽部のHPはこちら

その頃のことについては
拙ブログに以前書いたことがある。
人はみな旅人である。しかし時には原点に立ち戻る勇気も必要ということ

音楽部部員は自分が1年生のときは80人位。
2年生、3年生のときは60人位いた気がする。
でも万年男声不足だったけれども。
今となっては私は
混声合唱よりも男声合唱に
傾倒しているだけに
感慨もひとしお。

それはさておき、
やっとこさ
様々な部活が
再開されたのだろうか。
校庭で練習をしている
いきいきとした生徒さんたち。
よかったなあ、と思いながら
次の巡礼地に向かう。

巡礼地その3
またもや
目薬をさして
埼玉県桶川市にある
桶川市民ホールに向かう。
桶川市民ホール
本日のメインイベントである。

矢部太郎バリトンリサイタル
ロベルト・シューマンの歌曲
~ハインリヒ・ハイネの詩による歌曲集~
である。
taro2020



















HPはこちら。


今回のプログラムは
詩人の恋16曲
詩人の恋の当初の20曲から
省かれた4曲の内の2曲
ベルシャザール1曲
リーダークライス9曲
計28曲だった。
(アンコール除く)

なんか、
シューマンの歌曲は
聞いてて
涙がとまらないね。
良かった。
歌い手自身による
曲目解説と対訳が
掲載された
パンフレットも
とても勉強になった。
これだから
演奏会はいいね。
新しい刺激がもらえる。

次の演奏会も
来年9月5日(日)
同じく桶川市民ホール
シューマンの歌曲集
取り上げて
開催されるとのこと。

心から彼の歌声を応援したい。
終演後、ホワイエに出てきた
彼に、妻とともにあいさつをした。
名残惜しい気持ちを抱きつつも
次の巡礼地へ向かう。

巡礼地その4
桶川市民ホールから
千葉へ帰るために、
さいたま市にある岩槻ICを目指す。
その道中で、
ちょっと遠回り。
A市のまちなかの風景を
眼に焼き付ける。
そして岩槻ICへ。

妻「あれ、なんか寄るところ
  あるって言ってなかった?」
夫「・・・もう寄って来たよ。」
妻「そう、ずっと走ってたけど。」
夫「そうだね。ずっと走ってきたね。」

妻にとっては何気ない風景でも
特別な建物や施設がなくても
私にとっては30年近く暮らした
ふるさとの風景。

東京生まれ東京育ちの妻や
A市で生まれ育ったけど
千葉で中学高校と人生を
歩み始めている娘にとっては
今住んでいるところが
ふるさとの風景。

それは私も同じことだ。
それでいいんだ。

夫「すっかり遅くなったから
  夕飯の買い出しして帰ろうか。」
妻「そうだね、高速降りたら
  イオンに寄っていこう。」
夫「娘も待ちくたびれてるぞ。
  うちに帰ろう。」

高速の本線に入り
車の速度を上げていく。

夫「カーステで『タダタケ』聞きながら
  帰っていい?」
妻「気持ちよすぎて爆睡しちゃうから
  ダメ。FMにして頂戴。」
夫「・・・ウム。」

こうして
私のささやかな
ふるさと巡礼の旅は
幕を閉じた。
2020年10月18日(日)。
忘れられない一日になった。

おわり。

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