先日、久しぶりに
信州の山を間近にみたせいか、
多田武彦のこの曲を久しぶりに
聴きたくなった。

「雨後」
  三好達治

一つ また一つ
雲は山を離れ
夕暮れの空に浮かぶ
雨の後
山は新緑の襟を正し
膝を交えて並んでゐる
峡の奥 杉の林に
発電所の燈がともる
さうして後ろを顧みれば
雲の切れ目に 鹿島槍
(『山果集』四季社/1935年)

筆者の手元に
三好達治が古今の詩歌の
名作を詩歌入門として記した
一冊の本がある。

諷詠十二か月」
(講談社/1941年9月)

※筆者の所持しているのは、
2016年の復刻版である。

この本の中に
菅原道真の和歌が
取り上げられている。

山別れとびゆく雲の帰り来る
影見るときはなほ頼まれぬ

Weblio古語辞典の解説はこちら。

三好達治の生涯を考える
キーワードの中に「陶淵明」「菅原道真」
の二つは、含まれるのではないだろうか。

三好達治が
どちらの偉人にも造詣が深かったことは、
生前の三好達治を知る
仲間たちの証言により
証されている。

陶淵明のコトバンクの解説はこちら。

菅原道真の太宰府天満宮の解説はこちら。


そう考えると、
「雨後」の味わい方も
また感慨深いものがあると
ますますこの曲が好きになった。

おわり。

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