「あらせいとう」
北原白秋
人知れず袖に涙のかかるとき、
かかるとき、
ついぞ見馴れぬよその子が
あらせいとうのたねを取る。
丁度誰かの為るやうに
ひとり泣いてはたねを取る。
あかあかと空に夕日の消ゆるとき、
植物園に消ゆるとき。
(『東京景物詩及其他』/東雲堂書店/1913年)
もう解説が必要ないくらい
人口に膾炙した多田武彦の名曲である。
しかし曲はかなり難しい。
そこで初心にかえって、
詩を味わってみる。
#1
1910年9月東京は青山原宿に転居。
隣人松下俊子と相識る。
1910年10月この詩の誕生。
1912年7月松下俊子の夫より告訴される。
・・・胸が熱くなりますな。
#2
・・・胸が熱くなりますな。
#2
あらせいとうは
白、紫、赤など様々な色があるらしい。
ここでは、涙、袖、波、の縁語の流れで
北原白秋はこの詩の舞台と言われている
小石川植物園で
北原白秋はこの詩の舞台と言われている
小石川植物園で
「白いあらせいとう」をみたと
してみよう。
してみよう。
白いあらせいとうの花言葉は
「思いやり」「ひそやかな愛」とのこと。
http://hananokotoba.com/stock/
そのほかにも
いくつかの園芸のHPを見てみたが、
だいたい次の通り。
あらせいとうは本来毎年花を咲かせる
多年草であるが、日本は夏の暑さを
乗り切れない秋まきの一年草が
一般的とのこと。
多年草であるが、日本は夏の暑さを
乗り切れない秋まきの一年草が
一般的とのこと。
水分が多いと根腐れを起こして
しまうので、
しまうので、
自然界に存在する水分で十分だとのこと。
土が乾いてからたっぷりと
あげてくださいと書いてある。
あげてくださいと書いてある。
雨とか、涙とかで十分・・・。
#3
花の種ができるということは
「枯れる」ということ。
「枯れる」の掛詞は「離(か)れる」
小倉百人一首より
山里は冬ぞ寂しさまさりける
人めも草もかれぬと思へば
源宗干朝臣
#4
あらせいとうの花が咲く時期は
春から初夏くらいまで。
種まきは8月下旬から9月上旬とのこと。
種まきが遅れると十分に
発育しないだろう。
発育しないだろう。
「種をまく」ではなく
「種をとる」。
「育てる」ではなく
「育てられない」か。
「本来は毎年育まれるもの」が
「1年という短い期間で
かれてしまうもの」の哀しさか。
そんなことをつらつら考えながら、
この名曲を味わっていたい。
特にセカンドテナーは
この曲の中でも屈指の主旋律
「ひとり泣いてはたねを取る。」
の部分におのれの人生における
恋愛にかける情熱の80%を
込めてうたいたい。
妻「随分入れコンドルようだが
恋愛には詳しそうじゃの~?」
夫「イエ、あくまで脳内ですよ、脳内。
現実は、まあ、ね。もう。ハイ。」
娘「カラオケいっても女性歌手の
恋愛の歌ばかり熱唱してるもんね。」
夫「(机ドーン!!)
(タダタケに恋愛は
つきものじゃあ!!)
つきものじゃあ!!)
・・・ハイ。スミマセン。」
おわり。
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