毎度お世話になっております
のHPによると、
男声合唱組曲『父のいる庭』の
2曲目「太郎」は、
2曲目「太郎」は、
津村信夫が子どもを授かった時の詩だが、
生まれた子は女児だったという背景が
あったとのこと。
あったとのこと。
この組曲は、
家族に関する胸がほっこりとする
エピソードに
家族に関する胸がほっこりとする
エピソードに
浸れる名組曲である。
拙ブログでも取り上げたことがある。
さて、2曲目である。
「太郎」
津村信夫
妻のお腹の中に
太郎と呼ぶ子供がゐる――
そいつが 近頃では
夜になると
手をのばし 足をひろげたりする
妻は
とき折 寢床の上に坐り直す
ぼんやり考へてゐる
すると 俺も思案を初める
日本の美しい子供の傳説には
腹掛をした裸の少年がゐる
俺は肥りすぎて 人に笑はれたが
裸の子供は いくら肥つてゐても
誰かが可愛がつてくれるだらう
太郎 太郎 腹の中の太郎
お前の生れるのは 五月にほど近い日だ
青葉になった梅の木のもとで
お前の肥つたおやぢが
夢を一杯みたした
産湯をつかはしてやらう
(『父のいる庭』/臼井書房/1942年)
この詩と曲は、
我が家の一人娘が生れた時の
ことを思い出す。
色々あって、
予定日より1か月くらい前から
予定日より1か月くらい前から
病院でスタンバイしている妻。
エコー検査でも中々性別のヒントを
見せてくれないお腹の中の子供。
緊張感の漂う中、
父がとる行動といへば
父がとる行動といへば
「子供の名前を考える」
くらいしかないではないか。
というわけで、
男の子でも女の子でも対応できる
皆に愛される名前を、と。
妻「どんな候補があるんだ、見せてみ。何々?
さくら。みずほ。ひかり。
こだま。のぞみ?」
こだま。のぞみ?」
父「いやあ、ひらがなだと
男女どっちもいけるよねえ。」
男女どっちもいけるよねえ。」
妻「・・・おい、今後ろ手に隠した
本をみせてみろ。」
本をみせてみろ。」
「さらば栄光のブルートレイン」
(伊藤岳志/洋泉社/2008年)
書店で買つてきたのだ・・・。父「来る途中の古本屋で見つけてさあ。」
妻「・・・いっそあんたの思い出の特急、
『はつかり』にするか?」
父「わが少年の頃の思い出、
特急銀座といわれた東北本線。
それを駆け抜けた
それを駆け抜けた
東北本線のエース特急を
子供の名前になんて恐れ多いわ。」
妻「思考を汽車からはなさんかい。」
父「・・・ウム。」
それから父は娘のために
つまりは何事もない
名前を見つけ出した。
そして、無事娘が生まれたのだが、
自分の経験が
自分の経験が
組曲の流れにそっているようで
感慨深い。
感慨深い。
妻は
とき折 寢床の上に坐り直す
ぼんやり考へてゐる
すると 俺も思案を初める
この辺りの詩とタダタケの旋律は、
いまでもはっとするほどだ。
妻「あんた、だいぶ思い出が美化されて
いるようだけど、
ひまだからベッドできける
合唱曲をみつくろって
持ってきてという
持ってきてという
私のリクエストに、
タダタケとBarbershopしか
入っていない
入っていない
オリジナルCDを
作ってきたっけか。
作ってきたっけか。
安静にしてろ、という妻に
元気がですぎる
元気がですぎる
曲を持ってきてどうする。」
父「いや、その2ジャンルしか
持ってない。」
持ってない。」
妻「・・・ウム。」
あれから10余年、
すっかり娘もタダタケ、
特に草野心平が
大好きな中学生として
学校で大ボケを
学校で大ボケを
かまして男女を問わず
人気者になっているようである。
よかった。人気者になっているようである。
本当によかった。
おわり。
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