2017年もいよいよ大詰めである。

「寒い夜の自画像」
   中原中也

きらびやかでもないけれど
この一本の手綱をはなさず
この陰暗の地域を過ぎる!
その志明らかなれば
冬の夜を我は嘆かず
人々の焦燥のみの愁しみや
憧れに引き廻される女等の鼻唄を
わが瑣細なる罰と感じ
そが、わが皮膚を刺すにまかす。
蹌踉めくままに静もりを保ち、
聊かは儀文めいた心地をもって
われはわが怠惰を諫める
寒月の下を往きながら。

陽気で、坦々として、
而も己を売らないことをと、
わが魂の願ふことであった!

(『山羊の歌』/文圃堂/1934年)

この詩をはじめてしったのは、
大学生の時に貪り読んだ
「隆 慶一郎」の小説の中だったと思い出す。
(『一夢庵風流記』『影武者徳川家康』
などで著名。)

詩を読んで感じること、
それを音楽で表現すること、
合唱の奥深さに目覚めたきっかけとなったのは
この中原中也という詩人である。

詩をめぐる私の旅は、
これまでもこれからもずっと続くだろう。
一人の作業が中心だけど、一人じゃない。
歌を、詩を愛する仲間がいるから。

まずは来年1月21日(日)にオンステする、

男声合唱団タダタケを歌う会のコンサート「第陸」

http://blog.livedoor.jp/hirolead/archives/51147297.html
に全力を集中したい。

おわり。

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