新年です。
本ブログ執筆を本格的に再開して
初めての初春。
新年早々
恐れ多くも
多田武彦作曲
北原白秋『雪と花火』
より終曲「花火」である。
「花火」
北原白秋
花火があがる、
銀と緑の孔雀玉……
パツとしだれてちりかかる。
紺青の夜の薄あかり、
ほんにゆかしい歌麿の
舟のけしきにちりかかる。
花火が消ゆる。
薄紫の孔雀玉……
紅くとろけてちりかかる。
Toron……tonton……
Toron……tonton……
色とにほひがちりかかる。
両国橋の水と空とにちりかかる。
花火があがる。
薄い光と汐風に、
義理と情の孔雀玉……
涙しとしとちりかかる。
涙しとしと爪弾の
歌のこころにちりかかる。
団扇片手のうしろつき
つんと澄ませど、あのやうに
舟のへさきにちりかかる。
花火があがる、
銀と緑の孔雀玉……
パツとかなしくちりかかる。
紺青の夜に、大河に、
夏の帽子にちりかかる。
アイスクリームひえびえと
ふくむ手つきにちりかかる。
わかいこころの孔雀玉、
ええなんとせう、消えかかる。
(『東京景物詩及其他』
/東雲堂書店/1913年)
一度
拙ブログでも
取り上げたことがあるが
再度、違った視点で
取り上げる。
#1「箱庭」文化
江戸時代後半から
明治時代にかけて流行したもの。
明治時代にかけて流行したもの。
小さな、あまり深くない箱の中に、
小さな木や人形のほか、
橋や船などの景観を構成する
様々な要素のミニチュアを配して、
庭園や名勝など絵画的な光景を
模擬的に造り、
模擬的に造り、
楽しむもの。
詩の部分でいうと、
アイスクリームひえびえと・・・・
の直前までの江戸の風景、
夜空、花火などの遠景、
ロングショットの視点から、
「ぱっと」
手元の近景、
真っ白なアイスクリームに
フォーカスする。
そこに「箱庭」的なものを
白秋は観ただろうか。
思い出、恋などの
「過去」から
現実の手元、「今」への
転換。
旋律もその瞬間に
この曲の中で初めて
オクターブユニゾンになる。
いわゆる
「ピント」があって
視点も思いも
凝縮されたのかなと。
#2「アイスクーム」は
「あいすくりん」か?
「あいすくりん」か?
日本アイスクリーム協会のHPを見ると、
アイスクリーム白書というのがあるので、
2015年版をチェックする。
デザート第一位は、
アイスクリーム78.8%
その中でも「バニラ」が78.0%で
あの白、が一番なのかなと。
アイスクリームといえば、「白」で
間違いではないかなといえるかな。
ウィキペディアによると
日本初のアイスクリームは、
1869年7月遣米使節団の
メンバーであった
メンバーであった
町田房蔵が米国に密航した後に
帰国した出島松蔵から製法を教わり
横浜で「あいすくりん」という名称で
製造・販売したものであるとのこと。
後に1899年(明治32年)7月、
東京銀座の資生堂主人、
福原有信が売り出して世に広まった
とのこと。
ハイカラな北原白秋は
高価でも真っ先に買って
花火を見たであろうことが
想像される。
#3「あいすくりん」のおもひで。
筆者は「あいすくりん」というと
逢坂みえこの
短編漫画集「ラムネ幻燈」
(集英社/1991年)
(集英社/1991年)
を思い出す。
この短編集に収録されていたのが
「あいすくりん」だった。
少年時代の思い出の中の
あいすくりんと優しかった母。
1960~70年代の日本だと思われるが、
いつだって
過去の思い出はせつないセピア色。
そしてハイカラな
パステルカラーの「あいすくりん」。
少女漫画と侮るなかれ。
この作者は
「永遠の野原」
(1991年講談社漫画賞少女部門受賞)
(1991年講談社漫画賞少女部門受賞)
「ベル・エポック」
(石田ひかり主演で映画化)
「9時から5時半まで」
(お仕事漫画のパイオニア?)
など、心の琴線に触れる漫画がどっさり。
我が疾風怒濤の青春時代に
夢中になったものばかり。
夢中になったものばかり。
ああ、懐かしい。
さて、と。
妻「正月早々、
どこへ行こうというのかね?」
どこへ行こうというのかね?」
(天☆の城ラピュ☆のムス●風に)
父「いや、漫画喫茶に逢坂みえこの
漫画を読みに行こうと・・・」
漫画を読みに行こうと・・・」
妻「思いとどまらんか!
まだ箱根駅伝復路も
ゴールしとらんのだぞ。」
ゴールしとらんのだぞ。」
父「・・・ウム。」
おわり。
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