目下絶賛練習中です。
多田武彦「ソネット集」。
その中で頭をはなれないこの曲。
「旅人の夜の歌」
FRAULEIN A. MUROHU GEWIDMET
立原道造
降りすさんむでゐるのは つめたい雨。
私の手にした提灯はやうやく
昏く足もとをてらしてゐる、
歩けば歩けば夜は限りなくとほい。
私はなぜ歩いて行くのだらう、
私はもう捨てたのに 私を包む寝床も
あつたかい話も燭火も――それだけれども
なぜ私は歩いてゐるのだらう。
朝が來てしまつたら 眠らないうちに。
私はどこまで行かう……かうして
何をしてゐるのであらう。
私はすっかり濡れとほつたのだ 濡れながら
悦ばしい追憶を なほそれだけをさぐりつづけ……
母の あの街の方へ いやいや闇をただふかく。
この曲を歌って詩を味わっていると
とある小説が思い出される。
ミーハーと笑わば笑へ。
今を時めく「東野圭吾」が好きです。
突然ですがMY東野圭吾BEST3を。
第3位「パラレルワールドラブストーリー」
親友の彼女を好きになってしまう運命と、
VRの実験過程でおこる
恐ろしい夢か現実か。
結末に涙し。
第2位「魔球」
超高校級の投手をとりまく人間模様。
初期の名作と思っとります。はい。
ようやく本題に入る。
第1位「白夜行(びゃくやこう)」
私たちはどこまでもどこまでも
歩いていくのだろうか。
眠れる夜はない。
どうすれば子供のときの
約束は守れるか。
詩人銀色夏生の
「きみのそばで会おう」
のように、いつかは、2人は会える
場所があるね、っていえない
果てしない道程。
15年以上も前に読んだ
物語であるが、
立原道造の前出の詩を読んでいると
どちらも
旅の一応の終わりは共通している。
それは、、、、人間なら誰れでも訪れる
あれです。
それでも残された人々は
歩いていかなければならない。
・・・・・
多田武彦の曲は、もちろん名曲です。
久しぶりに、
歌っていて涙が滲みました。
いい演奏をしたいです。
おわり。
追伸
そんな訳で
東野圭吾の旅は
私の中では
「白夜行」で一つの臨界点に
達してしまった。
それ以降の記憶は・・・・。
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