書き忘れていたが、
筆者のパートは
セカンドである。
ちなみに、15歳で
合唱の世界にはいり、
バリトン→セカンド→トップ
→セカンドと出世魚のごとく
Keyが上がり続けて早ン十年。
思えば遠くへきたもんだ。
今は
所属している
男声合唱団の
台所事情に応じて、
たまにトップも歌う
やんちゃなセカンド。
または、
(周りは苦笑しているが)
トップとセカンドの両方に
入る(ENTER)ので、
エンターテナー
(ENTERTENOR)と
勝手に名乗っている。
関係者の方々、
大変申し訳ありません。
それはそれとして
セカンドというパートは
あまり目立たないせいか
世間では様々なイメージを
持たれているのでは
なかろうか。
今まで聴いた中で
例をあげると・・・
★和音の手綱をしめるパート。
★トップの次に高いパート。
★ベースから数えて何番目?
ああ、3番目ね。そうでした。
★トップをあきらめた人が
集まるパート。
★バリトンの強烈な個性の
出し方には
ついていけない人が
集まるパート。
★トップの影武者。
★ハモラセ役という
名ばかり中間管理職。
★合コンでは、にこにこ
話をきいてくれる
いい人が多そう。
★居酒屋で
とりあえずビール!
についてくる枝豆。
★ドラゴンボールでいうと
クリリン。
★ドラえもんでいうと
出木杉くん。
えーと、大分作者の僻みが
後半にでてしまったが、
一番気に入っているのは、
次のフレーズ。
★★和音というパズルを
うめる最後のピース。
よし、これでいこう。
閑話休題。
さて、そんなセカンドであるが、
トップのメロディーなどに隠れて
さりげなく歌い手に
ぐっとくるメロディーを
多田武彦は書いている。
そんな、パートソロではなく、
よく聴かないとわからない
セカンドのハーモニーのなかでも
「ぐっとくる」旋律勝手にベスト5を
紹介したい。
(パートソロはある意味
わかりやすいので
今回は対象外。)
※個人の感想です。
「ぐっとくる」効能については
個人差があります。
では下位から発表。
5位『尾崎喜八の詩から』
の中の終曲「かけす」
かけすというかりの名も
(略)夢だったと。
の部分。
ものすごい、
繊細な和音がなるが、
実はセカンドは全て同じAの音。
でもそれがいいんだ。
かけすという物語が
ゆらぎはじめても
一本心のとおった音が
存在する。
それでいいのだ。
4位『草野心平の詩から』
の中の終曲「さくら散る」
東洋の時間の中で~
が2回繰り返されるところ。
最初はバリトンとセカンドが
ペアで動く。
2回目はセカンドとトップが
ペアで動く。
この時
なんとセカンドは
まったく同じ旋律を2回
歌っている。
しかし、他パートとの関係で
空間の広がりを
表しているのが見事。
3位『わがふるき日のうた』
の中の終曲「雪はふる」
中間部の
かかーるよきひをいつよりか
われのしぬひとおもいてし
のところ。
トップとセカンドが
ぴったりと寄り添い
詩人の心情を表しているかと。
やわらかく、でも端正に、
毅然と歌いたい。
三国のきーんとした冬の寒さ
を表して。
2位『柳川風俗詩』
の中の終曲「梅雨の晴れ間」
いーなかしばいの
にーらばーたーけ!
例のTOPが見栄をきる名場面。
実はセカンドは、同じ場面で
い ー な か し ば い の
G→A→H→C→C#→D→D#→E
(ウン) に ら ば た け
休 E→D→C→E→D#
で決める!
という信じられない旋律を歌っている。
まるで、芝居の幕がざあっと
あがっていくようである。
はじめて歌ったときは、
楽譜を二度見してしまった
ほどである。
すごい、すごすぎる。
この後、
まわせまわせみずぐるまと
物語は佳境に入っていく。
文句なし。
1位『 』
まだ出逢っていない曲に
敬意を表して。
もしくは、
みなさんが好きな曲を
あてはめて
酒のさかなにしてください。
もう枝豆なんて言わせないわ!
いかがでしたでしょうか。
あらためて、
セカンドの譜面をみていただくと
あ、けっこう
セカンドもいい仕事してますね、
と見方が変わるかもしれませぬ。
これもまた合唱の醍醐味。
おわり。
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